妄想劇場。1 たっくんとワタシ。
あー一良く働いた・・と疲れ果てての帰路、ホームの私が並んだ列に超らぶらぶ(彼女が大トラ)カップルがいた。
彼女は彼に抱きかかえられるようにして列に並んだと思ったら、しゃがんだ。
おいおい吐いてくれるなよ。
心の中で祈る私。
彼氏(たっくん)は彼女をなでさする。
ちょっと、そりゃなですぎでないかい!
と突っ込みたいくらいに。
ここは公共の場だっつうの。
そんなハレンチなこたあ、よそでやっとくれ。
ミニのフレアスカートでしゃがみこんでいるので、パンツが見えやしないかと気が気でない・・・・私が。
彼女はホームに手までついてる。
・・・余計な世話だが、後で手は良く洗ったほうがいいぞ。
こんな危険な子と同じ車両は遠慮したいが、今移動したらいやみったらしいよなあ~と考えていたら電車が来た。
どーする気かしら、と思ったら、彼氏が彼女を抱き起こした。
もうチークダンス踊るんかい、ってくらいの密着度で。
しどけなくもたれる彼女は彼氏の首に手を回し、いやいやする。
「たっくん。むり~~」
おお、自分で無理だと判断するあたり、なかなかの人格者だ。
えらいぞ、彼女!
一緒の車両でリバースされたりしたらたまったもんじゃない。
どうでもいいが、たっくん、戸口からどけよ、乗車する他の人の邪魔になるからさ。
たっくんは乗りたかったのか、彼女を抱きかかえたまま、戸が閉まるまで電車のすぐそばに。
そんな名残惜しそうに閉まる戸を眺めるな。
あんたがこんな大トラになるまで飲ませたんだろうが。
ちゃんと責任もって送り届けておくれ。
お持ち帰りしようが、おさわりしようが、したい放題だぞ、たっくん。
らっきー。
そんな春の宵。