破れ鍋に綴じ蓋。世界は自分が考えた通りになる。
人様と一緒に歩いていたら大あくび。
なんでも、ちょっと前に生まれたお子さんの夜泣きがひどく、寝不足との事。
「まあ。大変ですね。でも夫婦力を合わせて乗り切るしかないですね」
と言ったら
「結構、手伝ってるんですけどね」
と返された。
奥さんの機嫌が悪いそうな。
ああ。
「手伝う」。
そりゃあ、機嫌も悪くなるでしょ。
だって、その「手伝う」って言葉、
「他人事」
じゃないと、出てこない。
つまり本心は「お前の仕事だろ」
と奥さんに対して思っているって事。
生後2か月ならたとえ仕事をしている奥様だって、まだ産休中だろう。
だけどさ。
いきなり 未知の生命体 の世話をするわけよ。
旦那の転勤で1年前にこっちにきたって話だったので、ご両親も友達もいないのよ。
旦那だけが頼みの綱。
なのに、旦那はいう。
「結構手伝ってるじゃん」
そりゃ、怒るって。
誰だって初めてのことはうまく行かない。
マニュアル通りにまったく動いてくれない。
助けてくれる人も悩みを聞いてくれる人もいない。
何が正しいのか分からないけど、万が一失敗してもリセットはできない。
そんな中で、唯一の運命共同体が言う、
「結構手伝ってるじゃん」
そりゃ、地雷でしょ。
会社の上司のお子さんがやはり小さいのだが、奥さんは自分がやりたい仕事があって、家庭に支障のない範囲でパートで働いているそう。
上司は奥さんがパートに出るに際して子供の世話について、
「俺に押しつけんのやめてよ」
と言ったとの事。
押しつける・・・。
自分の子なのに・・・。
私ならマジでこんな男はごめんだが、世の何割かの男性はいまだこの考えなのだろう。
「誰が稼いでると思ってんだ」
って、本気で思っているんだよね。
でもカワイソウかな、こんな風に考えるから
奥さんから
「稼いで来さえすればそれでいい」
とATM扱いされるのだと思うけど。
破れ鍋に綴じ蓋、と思えばナイスカポー、ってこと。
女性が社会進出し、自分の口を自分で賄えるようになった。
そりゃあ、結婚しない人も増えるよね。
だって、結婚する相手を
「俺に押しつけんのやめてよ」
「誰が稼いでると思ってんだ」
の中から選ぶんだったら、
「選ばない」
って選択肢を選択するでしょ。
だって、必要ないんだもん、そんな破れ鍋。
それは男性の側にも言えること。
「稼いで来さえすればそれでいい」
と思われてるな、と感じるから
そんな人の中から
「選ばない」
という選択をしている人だって、いっぱいいると思う。
つまり、何が言いたいかっていうと。
自分の都合の良い事ばかり相手に押し付けていると、
相手も同じように自分の都合ばかり押し付けてくる、ってこと。
人と自分は合わせ鏡。
そんな人間関係やだな、と思うなら、まずは自分が変わらなきゃ。