汝の名は、おかん! へびとおかん
すごいものを見た。
ヘビが、ヘビが、・・・飛んだ。
おかんを連れた旅行で精も根も尽き果てぐったりな昨今。
「あきんどさ~ん!ちょっと来て~~」
とおかんに呼ばれた。
「なんね」と行くと、
「ほらほら、あそこ見て!」
とおかんが指先した先にはヘビが。
おかん、ヘビが嫌い。
一人で見るのは嫌だ、っていう理由であきんどにも見せる。
なんて人だ。
あきんど、へびが大嫌い。
うちの裏の石垣の向こうは溝を挟んで畑や田んぼが広がる(よそ様の)。
耕してまだ何も植えていない畑は乾いて真っ白で、シマヘビの濃い茶色がよく映える。
なんだろう、妙に活発に頭を動かして動き回っているな、そんな感想を持ちながらじっと眺めていたら。
急にピョッと30センチぐらい飛び上がった。(正確には立ち上がった、か?)
カエル、捕獲。
生まれて初めてヘビが獲物を捕らえる瞬間を見てしまった。
一発で呑み込めず暴れるカエルを何度も頭をもたげながら口に入れようとする。
あ~、抑える手がないもんね。
食べるのはなかなか大変だな。
おかんは、ヘビがいる、という理由だけであきんどを呼んだので、まさかヘビのご飯タイムだったとは知りらず。
「残酷な・・・」とヘビに対してもそれを見ているあきんどに対しても嘆いた。
あんたが呼んだんだっちゅうの。
すべての生命が他の何かの命の犠牲の上に成り立っていると思うんだけどな。
「動物食べるなんて残酷」という理由で菜食主義の人は「植物」という命を殺さねば自分の命を長らえない、ということを自覚した方がいい。
まさか人間に声が聞こえないものは生きていない、とでもいうつもりか。
絶滅危惧種を保護する為に捕獲禁止にする、という考えには賛成だけど、
「かしこい生き物だから殺してはならない」という考えには反対。
「おろかな生き物は殺していい」と同義だよ、それじゃ。
「いただきます」とは「何かの命をいただく」という意味。