汝の名は、おかん!3
お彼岸でございます。
2017年は3月17日から3月23日までが春のお彼岸でございます。
皆々様におかれましては、牡丹餅をお召し上がりになっていらっしゃいますでしょうか。
別に牡丹餅を食べる日ではございませんが。
「彼岸」とは悟りの世界。すなわち あの世 のことでございます。
対になる言葉は「此岸(しがん)」。
この世。現世。現世を煩悩と迷いの世界、と仏教では位置づけております。
と、真面目に始めてみましたが、ネタは、おかん。
今日も、おかん。
おかんの住まいは 雪深くはございませんが、冷え込み厳しい海と山に囲まれたところにございます。
冬は当然、氷点下。
西日本にもかかわらず、春は遠く、3月でも、朝は霜がびっしり、そんなところでございます。
それでもお彼岸の頃には冷え込みの中に春の兆しを感じます。
暑さ寒さも彼岸まで、とはよく言ったものでございます。
おかんと一緒に墓掃除へ参りました。
墓は山を削ったところにあり、バケツをもって結構急な石段を登らねばなりません。
おかん、病気で手足が不自由でございます。
あいにく 口は達者なまま でございますが。
重いもの(つまり水がいっぱいに入ったバケツ2つ)はあきんどが持ち、おかんに石段を先に上らせ、降りるときはあきんどが先に降りる。
どこの紳士やねん。
と突っ込みたくなるようなエスコートぶりを発揮いたします。
転げて骨でもおられたらエライことでございますから。
世の男性方、ご存知でしょうか。
エスコートの基本。
階段は(エスカレーターも)女性を先に上らせ、降りるときには男性が先に降りる。
今まで知り合った紳士のなかでスマートにこれを実行された方を一人しか存じません。
日本の男性はこの世界紳士ルールを知らないのかもしれませんね。
女性に万が一のことがあったときに身を呈して庇えるように、ということだそうで、こんなところで男女平等を訴える男性はもれなく、モテません。
いざというときに身を呈しておかんを庇うかどうかは別にして、そうやってようようケガもせずにうちに帰ったというのに、あきんどが夕飯を作って
「おかん、ご飯できたよー」
と呼んだら、家の中をバタバタバターと駆けてきて、
ズテーン!!!
…お、おかん!!?
おかんは居間の入り口の段差で転んだのでございます。
おかん、薬の副作用でひどい骨粗しょう症。
つまり、骨が脆く、すぐ折れるのでございます。
病院の先生からも気を付けるように言われております。
なのに、走る。
子供か。
ものすごい音にあきんどの心臓がとまりかけたのでございます。
おかんは痛い痛いとうめきながらご飯を食べておりました。
こんなおかんは
「あんた、邪魔やからこのうちから出て行きさい」
とあきんどに言うのでございます。
おかんはどこまでもおかん
、なのでございます。